お仏壇のお荘厳 そのさん ~お給仕~

お給仕といいますと、お花やお供え物を供えたり、蝋燭やお線香に火を灯すといったお勤め前の準備のことをいいます。

お仏壇の上段から下段に向かって説明させていただきます。

まずは最初は最上段、ご本尊さんの前になります。ご本尊さんの前にはお仏飯といわれるご飯をお供えします。お仏飯は朝のお勤めの前、お釜の炊き立てのご飯から一番最初に取るのが良いでしょう。形は蓮のつぼみの形に整えます。朝のお勤め前にお供えして、お勤めが終わったら下げてしまいましょう。もし、お脇掛けが親鸞聖人の御真影でしたらそちらにもお仏飯をお供えしましょう。お仏飯と一緒に水やお茶をお供えすることはいたしません。そのお仏飯の両脇には華瓶(けびょう)がございますが、元は浄水をお供えするものです。お水のみでも良いでしょうし、ご家庭では樒(しきみ)などの青葉をお供えしてもよいでしょう。お店では青葉として榊(さかき)も売られていますが一応、樒は仏事に、榊は神事と言われる事も多いです。また高田派ではここに松をお供えするもあります。それは高田本山が一本松をお供えしていることに由来していると言われています。その一段下には供笥(くげ)と飾り香炉をおきますが、供笥は簡単にいうと御供えものを供える台です。お供え物に相応しい順番は1、餅製品 2、菓子類 3、果物といわれています。餅製品は丸餅で三角錐の形に積み重ねるのが正式といわれています。お仏飯もお供物もご先祖様にお供えするのではなく、あくまで阿弥陀様へのお供え物であるということは忘れてはいけません。

さらに一段下の前卓の三具足のお給仕です。花瓶(かひん)には季節折々のお花をお供えします。とげや悪臭があるものは相応しくないですし、造花をお供えすることはなるべく避けましょう。燭台には蝋燭を灯しますが、通常は白い蝋燭を用います。お家で報恩講式などをお勤めするときは朱色の蝋燭を使います。最後に香炉のお線香ですが真宗では線香を立てるということはいたしません。線香に火が付きましたら、火先を左側にして寝かします。そのため、香炉の大きさが小さい場合は前もって適当な大きさに折っておきましょう。

ここまでお給仕ができれば次は勤行となります。